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4月のはじめ、母の退職祝いで山形・天童温泉「天童荘」に泊まってきました。お料理が評判の宿で、正直に言うとご飯目当てで選んだ1泊です。
結論から言うと、期待どおり——いえ、料理以外の部分でも記憶に残る宿でした。季節を変えてまた行きたい宿のひとつです。この記事は、実際に泊まって感じたことの記録です。
実際に泊まってわかった
天童荘は記念日など「外したくない日」に泊まる宿です。明治のうなぎ屋発祥という食事の底力に加えて、天童木工の椅子や米沢織のスリッパなど、泊まりながら山形の文化に触れられるのがほかにない魅力でした。
※料金・評価は楽天トラベル掲載情報(2026-07-16時点)です。料理は季節で替わります(私が訪ねた4月は「卯月桜懐石」でした)。宿名のリンクは楽天トラベルの宿ページに移動します。

- 料金目安: 35,200円〜(時期により変動)
- 評価: ★4.75(21件)(風呂だけの評価: ★4.75)
- 部屋数: 全11室
- 泉質: ナトリウム・カルシウム硫酸塩温泉(無色透明。宿公式サイトより)
- お風呂: 大浴場(2024年10月リニューアル・内湯+露天)・風呂付き客室あり
- 住所: 山形県天童市鎌田2-2-18
- アクセス: JR天童駅より車で5分
- 駐車場: 30台・無料(予約不要)

二十四節気のおもてなし。古き良き日本の宿でございます。— 楽天トラベル掲載の宿紹介文より
お湯 — 部屋の半露天と、リニューアルしたての大浴場

泊まった部屋には半露天風呂がついていました。ふつうのお風呂の壁一面が大きな窓になっているタイプの半露天で、2人でも余裕の広さ。庭に向かって開いているので開放感があって、それでいて雨の日でも暑い寒いにも左右されない。この「いいとこ取り」は想像以上に快適でした。

大浴場は2024年10月にリニューアルしたばかりで、新しくてぬくもりのある雰囲気。木でおしゃれに作られていて、内湯からそのまま続きで露天に出られます。女湯は「苔の湯」という名前のとおり、湯船から苔庭が見えました。どちらかというとこじんまりした大浴場ですが、木のぬくもりと苔の緑で、静かに浸かるにはむしろ心地いい広さです。

お湯は無色透明で柔らかく、ずっと入っていられるタイプ。正直に書くと、大浴場は循環です。ただ塩素の匂いはまったく気になりませんでした。これでかけ流しだったら最高——と思いつつ、そうしたらお値段ももっと上がってしまうだろうな、とも思います。お湯の個性で選ぶ宿ではなく、居心地で選ぶお風呂です。
天童荘
35,200円〜 / ★4.75
ご飯 — 明治のうなぎ屋発祥。「外さない」には理由があった
今回いちばん語りたい食事の話です。夕食は部屋出しで、お品書きは「卯月桜懐石」。桜と筍、春づくしの献立でした。


見た目も味も、期待どおりでした。行灯を囲むように春の小鉢が並ぶ八寸、桜色の真薯が浮かぶ「桜川の椀」、竹の皮を開くと現れる「たけのこ飯蒸し」。目でさんざん楽しませてから、味でも裏切らない。


お肉は「和の奏(なごみのかなで)すてーき」。天童市の一軒の畜産農家だけが国産飼料100%で育てているブランド黒毛和牛で、つまり地元・天童のお肉です。臭みのない上品な味でした。

そしてシメは「伝統の味 鰻の蒲焼き」。実はこの宿、前身は明治10年(1877年)創業のうなぎ料理店「東亭」で、タレは創業以来の秘伝だそうです。私が泊まった部屋の「東亭 和スイート」という名前も、この初代のお店から来ています。懐石をひと通り楽しんだ最後に、ふっくらした蒲焼きで白ご飯——これは反則の旨さでした。

部屋出しのペースもちょうどよく、仲居さんは母と同年代くらいの女性で、しゃべりすぎることなく、それでいて一品ずつ丁寧に料理を紹介してくれました。この距離感のおかげで、母とゆっくり話しながら食べられたのがよかったです。
ひとつ嬉しい誤算があって、楽天トラベルのダイヤモンド会員特典でスパークリングワインを1本いただけました。記念日とは何も伝えていなかったのですが、退職祝いの乾杯にちょうどよくて、母も喜んでいました。


朝食も籠盛りにだし巻きや焼き鮭が並ぶ丁寧なもので、最後までお料理を外さない宿でした。
部屋と建物 — 「青竹」で、天童木工の椅子に座る

泊まった部屋は「東亭 和スイート 青竹」。ミニキッチン付きのリビングダイニング、和室、寝室の3部屋という広さで、ほとんどの時間をリビングで母とテレビを見ながらのんびり過ごしました。

この部屋、座るものが全部気持ちいいんです。リビングのダイニングソファはカリモクで、ご飯を食べるとき沈み込みすぎず、ただ座っているだけでも心地いい。和室には天童木工の椅子があって、これもまた座り心地がいい。天童は天童木工のお膝元なので、部屋にいながら山形の家具文化に触れられます。

スリッパも山形の名産品でした。米沢織の袴地で作られた、河北町・阿部産業の高級スリッパです。部屋着の作務衣風パジャマも軽くてとても気持ちよくて、こういう「肌に触れるもの」への投資がこの宿の丁寧さだと思います。

部屋には屋根付きデッキの庭もありました。広くはないけれど桜の木があって、塀で囲われているので1階でも外や隣の目はまったく気になりません。屋根があるので雨の日でもしっぽり佇めます。4月は、湯上がりにここで桜を見るのが最高でした。
チェックインも印象的でした。着いたら宿帳などは書かず、まず部屋へ案内されて、お抹茶とずんだ団子でひと息。建物全体は歴史あるものを大事に使っている空気で、ロビーの絨毯や照明にもそれを感じます。照明のスイッチがふつうの建物より低い位置にあるのも、何かこだわりなのかなと思いながら過ごしました。チェックアウトでは若女将らしき方と前日の仲居さんが最後までお見送りしてくれて、締めくくりまで気持ちのいい滞在でした。
こんな人におすすめ
私が天童荘を勧めたいのは、こんな人です。
- 退職祝い・還暦・結婚記念日など、絶対に外したくない日の宿を探している人
- 食事は量より質。目でも楽しめる懐石をゆっくり味わいたい人
- はじめての山形で、天童木工や米沢織など山形の文化に泊まりながら触れたい人
逆に、注意点も正直に。売店はお土産品のみでお酒などの販売はなく、自動販売機も見当たりませんでした(飲み物はお食事時に注文できます)。大浴場はこじんまりで、湯めぐりを楽しむタイプの宿ではありません。お湯の個性を最優先にする人より、料理と居心地を最優先にする人の宿です。
天童荘
35,200円〜 / ★4.75
よくある質問
Q. 食事は部屋で食べられますか?
A. 私が泊まったときは夕食は部屋出しで、仲居さんが一品ずつ丁寧に紹介してくれました。プランによって異なる場合があるので、予約時にご確認ください。
Q. 料理はいつ行っても同じですか?
A. 季節で替わります。私が訪ねた4月は「卯月桜懐石」で、桜と筍づくしでした。シメの鰻の蒲焼きは宿の看板です(前身が明治10年創業のうなぎ料理店)。
Q. お酒は買えますか?
A. 売店はお土産品のみで、お酒や飲み物の販売・自動販売機は見当たりませんでした。食事の際に山形のお酒のメニューから注文できます。飲みたいものがある場合は持参が安心です。
Q. アクセスは車が必要ですか?
A. 車での移動が前提の立地です。JR天童駅から車で5分(住所: 山形県天童市鎌田2-2-18)、駐車場は30台・無料(予約不要)。山形空港や山寺観光と組み合わせやすい立地です。
Q. どんな部屋がありますか?
A. 全11室で、私が泊まったのはミニキッチン付き3部屋の「東亭 和スイート 青竹」でした。離れなど他のタイプもあるので、予約ページで確認してみてください。私も次は別の部屋に泊まってみたいです。
天童温泉 天童荘 まとめ
天童荘は、明治のうなぎ屋から続く「外さない」お料理と、天童木工・米沢織・カリモクと座り心地の良いものだけを置いた部屋、そして宿帳より先にお抹茶が出てくるおもてなし——「大切な日を任せられる」宿でした。
母の退職祝いという一度きりの日に選んで、正解でした。私も季節を変えて、次は別の部屋タイプでまた訪ねたいと思っています。
天童荘
35,200円〜 / ★4.75
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